Booting from network on NetBSD

NetBSDを利用する上で、netboot出来ると非常に便利です。OSのInstallにも、debugにも 利用でき、その上、いきなり電源を切ることも出来るわけです。
しかし、私の場合、マーフィーの法則かわかりませんが、うまくnetboot出来るようにな るのにかなり時間がかかりました。
ここでは、NetBSDをInstallしたマシンが少なくとも1台ある環境において、いかにして NetBSDをnetbootできるような環境を作るかを主眼にメモを残しておきます。
なお、この記事を見てnetbootに失敗しようと、Diskを壊そうと、その他一切の被害に関 する責任は取れません。At your own Riskでお願いします。

• netbootの流れ
• netboot対象マシン
• 事前準備
• Boot from Network

Netbootは、以下のような流れで行なわれます。

1. netbootしたい機器(以下Client)からnetbootするためのparameterを要求する(arp)
2. netboot用server(以下Server)からparameterを送る(rarpd, bootparamd, dhcpd)
3. Clientからboot-loader配送要求が出る(tftp)
4. Serverからboot-loaderを送りつける(tftp)
5. Clientがkernel配送要求を送る(NFS)
6. Serverがkernelを送りつける(NFS)

ここでは、以下のarchitectureに関しての話をします。これは、手元で試せる機器が 以下のものだけだからです。

• SPARC(sun4m,sun4c)
• DEC Alpha
• macppc(Currently not tested.)

事前に準備するべきものは以下の通りです。

• rpc関連の設定
• bootparamd関連の設定
• bootpd関連の設定
• dhcp関連の設定
• tftp関連の設定
• NFS関連の設定

bootparamdやNFSはrpcを使用します。つまり、netboot-server上でrpc関連の設定を 行なう必要があります。
rpc関連の設定は特に難しいことはなく、/etc/rc.confで rpcbind=YES rpcbind_flag="-l"としておいて、 sh /etc/rc.d/rpcbind startとするだけです。
ついでに、/etc/ethersも設定しておきましょう。そのためには各 機器のMAC Addressも調べておきましょう。この辺りは、bootした 時に表示されたり、openfirmwareなどで調べれば判ります。
なお、判らない場合にむりやり調べる方法として、何も設定せずnetbootして、 tcpdumpやetherealなどでbootpメッセージを送 る際のMAC Addressを記録する方法があります。 /etc/ethersの書き方は簡単です。

	MAC-ADDRESS IP-ADDRESS
      

	% cat /etc/ethers
	08:00:20:7c:41:7e 10.0.0.2
	00:00:F8:25:42:F1 10.0.0.3
	00:30:65:d6:01:96 10.0.0.4
      

	% cat /etc/hosts
	10.0.0.1	netboot-server
	10.0.0.2	ss20
	10.0.0.3	alpha
	10.0.0.4	g4cube
      

	% su
	Password: ultrasecret
	# /usr/sbin/rarpd -l gm0
	#
      

bootparamdは/etc/bootparamsを参照します。

	sun	root=laysner-b:/export/sun/root \
		swap=laysner-b:/export/sun/swap \
		dump=laysner-b:/export/sun/swap
	alpha	root=laysner-b:/export/alpha/root \
		swap=laysner-b:/export/alpha/swap \
		dump=laysner-b:/export/alpha/swap
	g4cube	root=laysner-b:/export/macppc/root \
		swap=laysner-b:/export/macppc/swap \
		dump=laysner-b:/export/macppc/swap
      

上記を設定したら、bootparamdを動かしましょう。

	% su
	Password: ultrasecret
	# /usr/sbin/rpc.bootparamd
	#
      

なお、/etc/rc.confで bootparamd=YES bootparamd_flag="gm0" としておけばboot時に自動的にbootparamdが立ち上がります。gm0の部分は、ご自分の環境の Network Interfaceを指定して下さい。

次は bootpd に関する設定を行ないます。
bootpd は inetd から起動されます。その設定ファイルは、/etc/bootptab です。
まず、bootptabを設定しましょう。

	ss20:\
		:ha=0800207c417e:\
		:bf=sparc/boot.net:\
		:rp=/export/sparc:\
		:ip=10.0.0.2:\
		:sm=255.255.255.0:\
		:ht=ethernet
	alpha:\
		:ha=0000F82542F1:\
		:bf=Alpha/netboot:\
		:rp=/export/alpha:\
		:ip=10.0.0.3:\
		:sm=255.255.255.0:\
		:ht=ethernet
	g4cube:\
		:ha=003065d60196:\
		:bf=macppc/boot.net:\
		:rp=/export/macppc:\
		:ip=10.0.0.4:\
		:sm=255.255.255.0:\
		:ht=ethernet
      

	#bootps		dgram	udp	wait	root	/usr/sbin/bootpd	bootpd
      

	bootps		dgram	udp	wait	root	/usr/sbin/bootpd	bootpd
      

	% su
	Password: UltraSecret
	# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`
	# exit
	%
      

これで bootpd 関連の設定も終りました。

bootpd の代わりに dhcpd を利用する場合について記載します。 まだ試していないので、ミスがあるかも知れません。
NetBSDには標準でISC DHCPdがついているので、それを利用します。 また、基本的な設定はできるものとします。

	host ss20 {
		hardware ethernet 8:0:29:7c:41:7e;
		fixed-address 10.0.0.2;
		option host-name "ss20";
		filename "sparc/boot.net";
		option root-path "/export/sparc";
		option broadcast-address 255.255.255.0;
	}
	host alpha {
		hardware ethernet 0:0:f8:25:42:f1;
		fixed-address 10.0.0.3;
		option host-name "alpha";
		filename "alpha/netboot";
		option root-path "/export/alpha";
		option broadcast-address 255.255.255.0;
	}
	host g4cube {
		hardware ethernet 0:30:65:d6:01:96;
		fixed-address 10.0.0.4;
		option host-name "g4cube";
		filename "macppc/boot.net";
		option root-path "/export/macppc";
		option broadcast-address 255.255.255.0;
	}
      

	% su
	Password: UltraSecret
	# kill -HUP `cat /var/run/dhcpd.pid`
	# exit
	%
      

tftp関係の設定をしましょう。
Netbootにおいてtftpは、boot-loaderを送る役割を担います。
tftpで配送するためのboot-loaderを置くディレクトリを作成し、必要なファイルを置いて 下さい。今回は、/tftpboot以下に置く場合の例です。

	% su
	Password: UltraSecret
	# mkdir /tftpboot
	# mkdir /tftpboot/sparc
	# mkdir /tftpboot/alpha
	# mkdir /tftpboot/macppc
	# chmod -R 555 /tftpboot
	# cp netboot /tftpboot/alpha;chmod 444 /tftpboot/alpha/netboot
	# cp boot.net /tftpboot/sparc;chmod 444 /tftpboot/sparc/boot.net
	# cp ofwboot.elf /tftpboot/macppc;chmod 444 /tftpboot/macppc/ofwboot.elf
	# exit
	%
      

	#tftp            dgram   udp     wait    root    /usr/libexec/tftpd      tftpd -l -s /tftpboot
      

	tftp            dgram   udp     wait    root    /usr/libexec/tftpd      tftpd -l -s /tftpboot
      

	% su
	Password: UltraSecret
	# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`
	# exit
	%
      

最後にNFS関係の設定をしましょう。
NFSでfilesystemをmountできるようにするには、/etc/exportsを編集する必要があります。 以下にsampleを挙げておきます。

	/export		-network 10.0.0.0 -mask 255.255.255.0
      

	% su
	Password: UltraSecret
	# mountd
	# nfsd
	# exit
	%
      

boot時にNFSをenableするには、/etc/rc.confで

mountd=YES		mountd_flags=""		# NFS mount requests daemon
nfs_server=YES
      

最後に、各機器からnetbootをします。
今回は、基本的にInstall kernelを立ち上げることだけを考えます。Disklessでbootして 運用するのであれば、/export の下に各マシン毎のfilesystemを作成し、その上で、各マ シン用の設定を行なう必要がありますが、これに関しては割愛します。

まず、install用kernelを準備します。これは、 JNUG ftp serverなどに置かれてい るNetBSD distributionから持ってくると良いでしょう。
例えば、NetBSD-1.5.1のalpha用なら、
ftp://ftp.jp.netbsd.org/pub/NetBSD/NetBSD-1.5.1/sparc/installation/instkernel/netbsd.gz
を/export/alphaの下に置いて下さい。
NetBSD-1.5.1のsparc用なら、
ftp://ftp.jp.netbsd.org/pub/NetBSD/NetBSD-1.5.1/sparc/installation/netboot/rootfs.tgz
を/exports/sparcの下で展開して下さい。
NetBSD-1.5.1のmacppc用なら、
ftp://ftp.jp.netbsd.org/pub/NetBSD/NetBSD-1.5.1/sparc/installation/netbsd.ram.gz
を/exports/macppcの下に置いて下さい。

そうして、各マシンのBIOS/Openboot/OpenFirmwareから以下のようにbootして下さい。
ALPHA:
>>> set ewa0_protocols bootp
>>>boot -proto bootp ewa0
SPARC:
ok boot net boot.net
MACPPC:
> boot enet:0,ofwboot.elf enet0:netbsd.ram.gz

alphaやsparcなどは基本的にbootpでnetbootできますが、macppcはopenfirmwareの制約上 dhcpからしかnetbootできないようです。そのため、macppcではbootpdのかわりにdhcpdを 使用する必要があります。

Sparcでnetbootする場合、boot.netをMAC-Address.SUN4Mなどと変更する必要があるかもし れません。その場合、bootしたいマシンのMAC-Addressを調べ、lnして試して下さい。