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tech:raid [2022/09/03 21:34] – 作成 seiriostech:raid [2022/09/03 22:05] (現在) – [RAIDについて] seirios
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 |  RAID5+0  | RAID10と同様にRAID5で構成されたディスクをConcatすることで、耐故障性の高い巨大なディスクを作成する手法。近年ではHDDの大容量化が進み、RAID 50を必要とする局面はあまり無くなっている。 | |  RAID5+0  | RAID10と同様にRAID5で構成されたディスクをConcatすることで、耐故障性の高い巨大なディスクを作成する手法。近年ではHDDの大容量化が進み、RAID 50を必要とする局面はあまり無くなっている。 |
 |  RAID5+1  | RAID5で構成されたディスクセットをRAID1でMirrorする手法。近年HDDの大容量化が進んだため、HDD1台が故障した場合のRAID5の復旧に時間がかかるようになっている。この問題を回避するため、完全に冗長化された仕組みをもってディスクを構成する場合にRAID51を用いる。 | |  RAID5+1  | RAID5で構成されたディスクセットをRAID1でMirrorする手法。近年HDDの大容量化が進んだため、HDD1台が故障した場合のRAID5の復旧に時間がかかるようになっている。この問題を回避するため、完全に冗長化された仕組みをもってディスクを構成する場合にRAID51を用いる。 |
-|  RAID6    | フロック単位での複数パリティー分散方式。HDDを最低4台必要とする。RAID5では、同時に2台の>ディスクが故障した場合(復旧中にディスクが故障する場合も含む)対応ができない。この問題に対応するため>に開発された。パリティー情報を複数作成するため、RAID 5よりもさらに書き込みが遅くなる。 |+|  RAID6    | フロック単位での複数パリティー分散方式。HDDを最低4台必要とする。RAID5では、同時に2台のディスクが故障した場合(復旧中にディスクが故障する場合も含む)対応ができない。この問題に対応するために開発された。パリティー情報を複数作成するため、RAID 5よりもさらに書き込みが遅くなる。 
 +| RAIDZ     | ZFS上に実装されたRAID同等の機能。RAID5やRAID6には、パリティ更新時に何らかの障害が発生した場合、データとパリティが一致しなくなり、システム上では正常に見えても内部ではデータ破壊が進んでいるという状態(サイレントクラッシュ)に陥るという致命的な欠点がある。またストライプ幅より小さいデータを書き込む際、全体のデータとパリティを読み込んで再計算をする必要があり、パフォーマンスが著しく低下するという弱点もある。RAIDZは常にストライプ全体への書き込みを行う。これに、コピーオンライトを組み合わせることによりRAID5やRAID6が持つサイレントクラッシュの問題を完全に回避できる。| 
 +|  RAIDZ1   | パリティが1つのRAIDZ (RAID5相当) | 
 +|  RAIDZ2   | パリティが2つのRAIDZ (RAID6相当) | 
 +|  RAIDZ3   | パリティが3つのRAIDZ|
  
 +==== RAIDの遅さ ====
 +RAID/RAIDZは、読み出し、書き込み時に、Parityを再計算して問題がないことを確認する。これは、たとえばRAID5において512Bytesのデータを読み出す場合、512*3(Disk書き込みの最小単位。最近では4Kのものもあるが分かりやすく考えるためにあえて512Bytesで考えている)の読み出しを行う。これは、読み出しに余計な時間がかかるということであり、特に細かいファイルを大量に読み出す際に性能劣化が発生するということを意味する。
 +
 +RAIDによる冗長性+容量を採るか、Mirrorによる冗長性+読み出し速度を採るかは状況によるが、特にHDDを利用する場合、大きく効いてくるので注意が必要。特に、AppleのTimeMachineを利用するのであれば、Mirrorを利用するなどの高速化を視野に入れる必要がある。
 ===== RAIDに関する若干の考察 ===== ===== RAIDに関する若干の考察 =====
 自宅などでRAIDを用いたNASなどを構築するときのためのメモ 自宅などでRAIDを用いたNASなどを構築するときのためのメモ
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 実際には、HDDからの情報読み出しにおいては、回復不能なエラーが発生する可能性がある。 実際には、HDDからの情報読み出しにおいては、回復不能なエラーが発生する可能性がある。
 以下はSeagate製品のカタログから抜き出している。 以下はSeagate製品のカタログから抜き出している。
-  * Consumer向けHDDで、 1bit/10^14bit 程度 +  * Consumer向けHDDで、 1bit/10^14bit 程度 
-  * Enterprise向け高信頼HDDで 1bit/10^16bit 程度+  * Enterprise向け高信頼HDDで 1bit/10^16bit 程度
 これは、Consumer 向け2TB disk 5本で構築されたRAID5システムにおいて、一回全領域を読み出した場合、60%の確率で1bit、「回復不能」のエラーが発生する可能性があることを示している。なお、Enterprise向け高信頼HDDならば、同条件で1bitの「回復不能」エラーが発生する確率は単純に0.6%である。 これは、Consumer 向け2TB disk 5本で構築されたRAID5システムにおいて、一回全領域を読み出した場合、60%の確率で1bit、「回復不能」のエラーが発生する可能性があることを示している。なお、Enterprise向け高信頼HDDならば、同条件で1bitの「回復不能」エラーが発生する確率は単純に0.6%である。
 つまり、Rebuildを実施した場合、Consumer向けHDDでは60%の確率でRebuildに失敗することを意味する。ただし、実際には、Disk容量を100%使い切ることはないであろうことから、失敗する確率はもう少し低くなると考えられる。 つまり、Rebuildを実施した場合、Consumer向けHDDでは60%の確率でRebuildに失敗することを意味する。ただし、実際には、Disk容量を100%使い切ることはないであろうことから、失敗する確率はもう少し低くなると考えられる。
tech/raid.1662208459.txt.gz · 最終更新: 2022/09/03 21:34 by seirios

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