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tweet:2018:0806_02

IPv6のこと (2)

ちょっとIPv6のことを書いたついでに、以前Twitterに上げたIPv6に関するつぶやきをちょっとまとめておく。

2018年8月段階での自分の考えなので、まぁ、色々意見はあるだろうけど、気に入らない人はスルーしてください。

小川晃通氏が、ラムダノート社から「プロフェッショナルIPv6」という本を上梓された。この壮挙には拍手しかない。 2018年8月段階でここまでIPv6という技術の根の部分を記述してくれた書籍は現時点で存在しない。にも関わらず、氏およびラムダノート社は、この本のPDFを「無料でも」配布している。技術者は、一度は目を通していただきたい書籍であり、可能ならば購入すべき書籍であると思う。

この本が上梓された時に、ちょっと思ったことを以下につぶやいてみる。

今のInternetで主に利用されているIPv4の次がIPv6でなければならない技術的な理由はないと思うのですよ。
ただ、もしIPv6ではないとするなら、代わりとなるProtocolを用意しなければならないのですよ。
そして、その「代わりとなるプロトコル」は今(2018年8月現在)のところ存在しないのですよ。
今の今ということなら、日本にいる限り、別にIPv6にしなくたっていいんですよ。実際困りはしない。
でも、世界的に少しずつIPv6の利用者は増えているというのは事実。
はたと気がついた時に、すでにガラパゴスになっていたとしても驚きはしない。

IPv6対応は、恐らく、多くの人が思うほど難しくもないし、すでに使ってる人が言うほど簡単でもない。新しい通信規約で通信する、それもマルチプロトコルでと言うことを考えれば、そんなことは当然。
その上で、何をどこからv6にも対応させていくのか、をしっかり考えることが必要なんだが、恐らくその前に思考停止するんだろうな。

いずれにしても、NATのおかげでEnd-to-End通信が前提のプロトコルは瀕死もしくは死亡した。今時はほとんどHTTPでカプセリングされてると言っても過言ではなかろう。
これがIPv6になったら復活するか?恐らく復活しないだろうね。もう、HTTPでカプセリングするのが「普通」になっちゃったから。そのほうが簡単で、性能を出しやすいから。
ともあれ、正直に言って、日本でIPv6が通信プロトコルの主役になるにはまだまだ時間がかかると思う。

じゃぁ、主役になるのはいつなのか?
そんなことがわかるわけがない。
ただ、AKAMAIの観測データを見る限り、北米は20%程度はIPv6も使えるユーザーがいる事はわかるし、コンテンツ提供者もIPv6でのコンテンツ提供「も」行なっている。
この流れは恐らく、もう止まらないのだろう。

そうだとすると、日本以外の国でIPv6が着々と使われ始めているとは言えるだろう。
それが拡大する間も、日本国内では「日本語だけでインターネット生活」を送る人はv4だけで生活するだろう。
外国語は理解が大変だろうし、面倒だし。しかも、日本はなんだかんだ言ってもv4アドレスは沢山あるのだから。

思うに、日本においてIPv6が普及するために一番必要なことは、「それを使わなければ生きて行かれなくなる」という状況なのではないか?
その状況とは、日本が一国で経済を賄うことができなくなって、どうしても外国とやり取りする基盤としてIPv6を使わざるを得なくなるという状況なのではないだろうか?(個人の考え)
人口が減り、若者が減り、生産人口が減るのが何年後なのか?と言う話とリンクするのかもしれない。
この想像がもし正しいのならば、あと10年くらいはv4で生きて行かれるんだろうな。
そしてその頃、生き残るために、外国とやりとりするために、IPv6対応を迫られ、最後尾から追いかけるようになる、と云うシナリオだって考えられる。

自分は、新しいプロトコル作るだの、v4をさらに延命するだのに力を注ぎ込むつもりは毛頭ない。
IPv6が完璧でないことなんて、そんな事はよく知ってる。その上で、言っても20年と云う時間をかけて少しずつ枯れてきたプロトコルなんだから、わざわざ今から車輪を再発明してもしょうがない。
そんな効率悪いことするなら、さっさとv6に移った上で、問題があるところを改善しようとするほうが、「今の段階では」良いと思う。いつまでもv4にしがみついてても未来があるようには思えない。

まぁ、例によってまとまっていないわけだが、その辺はご容赦ください。

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tweet/2018/0806_02.txt · 最終更新: 2018/08/06 17:20 by seirios

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